【裁判例から】大阪地裁 平成23年(行ウ)第183号 障害基礎年金不支給取消等請求事件
平成元年12月1日を初診日として、H22年8月に事後重症請求による障害基礎年金の裁定請求を行いましたが、程度不該当を理由により不支給決定を受け、審査請求および再審査請求を経て提訴。
(提出した診断書の内容)H22年8月6日現症
ウ2 日常生活能力の判定
(1)適切な食事・・・自発的にできるが援助が必要
(2)身辺の清潔保持・・・できる
(3)金銭管理と買い物・・・おおむねできるが時に助言や指導が必要
(4)通院と服薬・・・おおむねできるが時に助言や指導が必要
(5)他人との意思伝達及び対人関係・・・助言や指導があればできる
(6)身辺の安全保持及び危機対応・・・助言や指導があればできる
(7)社会性・・・不明
ウ3 日常生活能力の程度…(3)
(原告作成の病歴状況等申立書)
10年前頃から独居しており、母親の援助は週に1~2回。
症状には波があり、入浴や洗濯、食事の買物は自分でできる。
(医師の意見書)
精神病圏に属するものではなく、神経症に属している。
【被告国の主張】
精神病の病態を示しているとはいい難いことから、認定の対象にならない。
【争点】
2級16号「日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度」に達していると認められるか。
【判決】
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
【社労士簡野のコメント】
診断書のウの2(7)社会性が「助言や指導があればできる」、また、精神病の病態を示していたと仮定しても、この診断書の内容で2級の認定は厳しいように考えます。
裁定請求から判決まで4年以上の時間を費やしており、訴訟を行うべき事件だったのか、疑問が残ります。